Digに「土を掘る」以外の意味とか使い方ってあるの?
そんな疑問にお答えします。
"dig"という単語を辞書で調べると、一番初めに出てくるのが「掘る」という意味ですね。
実は、この「掘る」という意味から派生した"dig"の表現はたくさんあって、ネイティブとの会話の中で登場することがあります。
そこで、日常会話頻出の"dig"のイディオムを5つ厳選してみました。
- dig deep:深く調査する、努力する
- dig in:食べ始める
- dig it:(相手の言ってることが)分かる
- dig up/out dirt on:悪い噂やスキャンダルを暴露する
- dig oneself a hole:墓穴を掘る
会話例を交えながら、"dig"のイディオムの意味や使い方を一つずつ解説します。
"dig"の後に続く前置詞や単語によって意味が変わるので、注目しながら読んでみてください!
dig deep:深く調査する、努力する
"dig deep"には「深く調査する」「努力する」2つの意味がある
"dig deep"には、
・情報などを詳しく慎重に調べる
・(おカネや精力などのリソースをすべて使って)努力する
2つの意味があります。
「掘る」を意味する"dig"と「深い」を意味する"deep"を組み合わせると、「○○を深く掘る」→「情報などを詳しく慎重に調べる」という意味に転じます。
その他にも、ちょっとイメージしづらいですが、「(おカネや精力などのリソースをすべて使って)努力する」という意味があることも覚えておきましょう!
ポケットの奥に手を突っ込んで、おカネや時間、労力などリソースをすべて掘り出して物事に取り組むイメージです。
"dig deep"を使った例文
I want you to dig deep. Find out who she is, and where she came from.
(詳しく調べて欲しい。彼女が何者なのか、どこから来たのか、探ってくれ。)
Collins English Dictionary
My teacher asked me to dig a little deeper.
(先生からもう少し努力するようにと言われた)
Collins English Dictionary
dig in:(ガツガツ)食べ始める
"eat"や"have"を使わずに「いただきましょう」を表現するには?
あなたなら、「さあ、いただきましょう」を英語で何と言いますか?
"Let's eat"が浮かんできた人、多いはずです。
もちろん"Let's eat"でも間違いではないですが、別の言い方を耳にする機会が結構あったりします。
その別の言い方というのが、
"Let's dig in."
というスラングです。
カジュアルな言い回しなので、家族や友人との食事で使えます。
ネイティブの会話例
A:Dinner is ready! Let’s dig in before it gets cold. (夕飯の準備できたよ。冷める前にいただきましょう!)
B:Yeah, let's dig in. (そうね。いただきましょう!)
"eat”や"have"以外の別の言い方を知っていると表現の幅が広がりますよ!短いフレーズなので覚えるのも簡単です。
"dig in"を使うべきシチュエーションはMAX空腹のとき
ちなみに、"dig in"がピッタリなシチュエーションは、超空腹で目の前においしそ~なごはんがあるとき。
今すぐにでもかぶりつきたい!!
待ちきれない!!
そんな気持ちを表すのに、"Let's eat"だと「食べよう」と意気込む気持ちが100%表現できません。
そこで登場するのが"dig in"です。スプーンで穴を掘るように食べる姿をイメージしてみてください。
こんな感じかな?(笑)
"dig in"だと食べたい気持ちが十分に伝わりますね。
dig it:(相手の言っていること)分かるよ
"I can dig it"は相手の発言に理解を示すスラング
"I can dig it"は「言っていることわかるよ」と相手の発言理解を示すスラングです。
この場合の"dig"は"understand"と同義です。文脈によっては、"agree"や"like"と同じ意味を持つこともあります。
ネイティブの会話例
Netflixの「ラブ・イズ・ブラインド」シーズン4ではこんな使われ方がしていました。
Kwame:So, Hey, Chelsea. Tell me what makes you happy.(チェルシー、何をしてるときに幸せを感じる?)
Chelsea:Bringing joy and fulfillment to other people. Um...Growing, learning.(他人が喜ぶことをしているとき、それと自分の成長かな)
Kwame:I can dig that. (分かるよ)
クワミは"I can dig that"を使ってチェルシーの返答に同意しています。
ビジネスの場というよりは、カジュアルなシチュエーションで使えるフレーズです。
"dig it"を使った例文
I can dig it. I don't expect a band always to be innovative.
(同感だよ。私はバンドに常に革新的であることに期待していないよ。)
Collins English Dictionary
dig up/out dirt on (someone):悪い噂やスキャンダルを暴露する
"dig up/out dirt on~"の覚えるべきポイントは"dirt"と"on"の意味
今回のフレーズは"dig out dirt on~(悪い噂やスキャンダルをかき集める)"です。
単語を一つずつ分解しながら意味を理解しましょう。
"dig out"は「穴を掘りおこす」または「探し出す」という意味。
"dig":道具を使って地面に隠れているモノまたは人を顕在化させる
"out":外に出す
"dig up"も同じような意味だよ!
続いて、このイディオムを理解する上で一番大切な"dirt"と"on"の意味を解説します。
"dirt"は「土」だから、"dig out dirt"で「土を掘り返す」って意味になるよね?
答えはノーです。このイディオムでは"dirt"は「悪い噂やスキャンダル」という意味になります。
なぜなら、その後に前置詞の"on"があるからです。"on"の後には人の名前がつづきます。
すべてをおさらいすると、
"dig out dirt on~"
(誰かの)悪い噂やスキャンダルを掘りおこす
↓
(誰かの)悪い噂やスキャンダルを暴露し、悪い印象を与える
こんな風に意味が転じます。
"dig up/out dirt on~"を使った例文
A:It seems like the press tried to dig up dirt on one of the presidential candidates but they couldn't dig up anything.
(マスコミは大統領候補の一人のスキャンダルを暴こうとしたが、何もでなかったそうだよ)
B: I heard that he is very transparent.
(彼は透明性の高い人間だと聞いたことがあるよ)
dig oneself into a hole:墓穴を掘る
"dig oneself into a hole"は文字通りの意味でOK:「墓穴を掘る」
"dig oneself into a hole"は「墓穴を掘る」という意味です。
まさにこの画像が"dig oneself into a hole"ですね(笑)
"dig oneself into a hole"を直訳すると「穴を掘って自分を埋める」ですが、
意訳すると、
・墓穴を掘る
・自ら窮地に陥る
という意味になります。
自分の行動で恥ずかしい思いをしたりヤバイ状況に陥ったりしたときに使えるフレーズです。
自分で穴を作って落ちるところを想像すれば意味を推測できるので、覚えやすいですね。
"dig oneself into a hole"を使った例文
The party has really dug itself into a hole with its economic policies.
(その政党は自らの経済政策で窮地に陥ってしまった)
Cambridge Dictionary
Boy, I really dug myself into a hole by procrastinating on this paper until the last minute.
(やばい、論文をギリギリまで先延ばしにしていたせいで窮地に陥った)
THE FREE DICTIONARY
まとめ
「掘る」という意味から派生した"dig"の表現を5つご紹介しました。
- dig deep:深く調査する、努力する
- dig in:食べ始める
- dig it:(相手の言ってることが)分かる
- dig up/out dirt on:悪い噂やスキャンダルを暴露する
- dig oneself a hole:墓穴を掘る
どの表現も「掘る」から連想される意味を持っていますね。
前置詞にも気をつけながら単語の意味を覚えて日常生活の中で使ってみましょう!