海外ドラマSUITSでよく登場するフレーズをご紹介します。今回ご紹介するのは"throw(someone) under the bus"です。
throw under the busの意味とは?
"throw under the bus"とは「(自分の利益のために誰かを)裏切る、犠牲にする」という意味。
「裏切る」「犠牲にする」を意味する"betray"や"sacrifice"を使う人が多いと思いますが、"throw under the bus"が使えるとネイティブに一歩近づきます。
英語上級者を目指す人であれば言い回しの引き出しを多く持っておくことが大切です。
教科書では目にすることはない表現ですが、ネイティブ同士の会話では頻繁に出てくるのでしっかり覚えましょう。
私もドラマで出てきて初めて知った表現だったよ!
どんな場面で使う表現なのか、他にどのような類似の表現があるのか、例文を交えながら解説します!
意味
冒頭で説明したように、"throw(someone) under the bus"とは「(自分の利益のために誰かを)裏切る、犠牲にする」という意味です。
ちなみに、英英辞典ではこのように説明されています。
to do something harmful to someone else in order to gain an advantage of yourself
(自分が有利になるために、他人に害を与えること。)
Cambridge Dictionary
問題や責任から逃れるために、自分の非を他人に押し付けるときに使える表現です。
ポイント
自分の私利私欲のために、自分の非を他人に押し付けて問題や責任から逃れること。善意はなく、悪意で行うことが多い。
原文の"throw under the bus"を直訳すると「(誰かを)バスの下に投げ入れる(=バスの下敷き)」という意味になりますが、想像してみるとなんだかすごく物騒ですよね。
親しい友人や家族にそんな行動を取られたら「裏切り行為」だと思って悲しくなりますよね。
仲の良かった人から突然冷酷な仕打ちを受けたときに使えるのかな?日常生活ではできれば使いたくない表現だね......。
愚痴や悪口を言うような場面で使われることが多いね。脅し文句としても使えるよ。
意味がわかったところで、実際にどのように使われているのかドラマのワンシーンを切り取って解説します。
海外ドラマSUITSでのワンシーン
冒頭で触れたように、"throw(someone) under the bus"は海外ドラマSUITSで何度も出てくる表現です。
SUITSでこんな風に使われています。
弁護士資格を持たずに働くマイクの秘密を隠し続けていたら、自分自身が弁護士資格を失うと危惧したハーヴィーがマイクに解雇を言い渡しているシーンです。
Mike: If you fire me then I could tell them that you lied about me and you'd definitely lose your license.
(クビにすれば、すぐにでも事務所に話すよ。そしたら確実に弁護士資格を失うことになるね。)
Harvey: Are you telling me that if I throw you under the bus, you're gonna drag me with you?
(見捨てたら、俺を道連れにするとでも言いたいのか?)
SUITS シーズン1エピソード1
ここでいう"through you under the bus"とは、つまり、「マイクを解雇する」ということ。
「自分を解雇したらお前も道連れだぞ」って上司を脅してるってことだね.....。アメリカならではの強気の姿勢だね(笑)
throw(someone) under the busに似た表現
"throw(someone) under the bus"に似た表現もご紹介します。以下の2つです。
①の表現は"throw(someone) under the bus"と同じように物騒な表現ですね。日本語だと「騙し討ち」がピッタリあう訳語だと思います。
直訳すると「後ろから鋭利なもので刺す」っていうことだからね......。かなり強い裏切りだってことが暗示されているね。
続いて②は、広義な意味で"throw under the bus"と似ている点があります。
他の人の罪を着せられるというところが共通していますね。
ちなみに、"scapegoat"とは古代ユダヤで、年に一度人々の罪を負って荒野に放たれた贖罪の山羊のこと。
贖罪の山羊から転じて、「罪を着せられる」っていう意味になったんだね!
まとめ
本記事では"throw (someone) under the bus"の意味と類似表現を解説しました。
日常会話で積極的に使いたいような表現ではありませんが、ドラマではよく出てくるので覚えておきましょう。
友達と揉めてるシーンやビジネスでの駆け引きのシーンでよく見られますね。
「バスの下に投げ込む」イメージを思い浮かべながら意味を覚えていきましょう。イメージと結びつけながら学ぶのがおすすめです。